スマホアプリを通じて一般ドライバーと乗客をマッチングし有償で運ぶライドシェアが今月一部地域で解禁された。だが、スマホアプリになじみの薄い高齢者の足の確保はますます困難化している▽内閣府が昨年10～11月に行った調査で「地域で不便なこと」について尋ねると、「日常の買い物」「通院」「交通機関が高齢者には使いにくい、整備されていない」が最上位だった▽地域の移動の問題は大きい。人口減による採算性の問題や、ドライバー不足などからバスや電車が廃線になる地域が広がっている▽要介護者の集住化の背後にも同じ課題があると感じる。介護サービスもパッケージで提供される施設や集合住宅を選ぶ人もいるが、長年住み慣れた地域で暮らし続けたいという希望を持つ人の、住みたい場所に住む権利、移動する権利を守る政策も求められている。もちろん、そこにアウトリーチする介護サービスも必要だ。