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入居者の服薬を昼の1回に 日本老年薬学会が提言
  • 2024/06/04
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日本老年薬学会(秋下雅弘代表理事)は17日、高齢者施設入居者の服薬回数を減らすように求める提言を行った。

現状では施設の入居者への与薬は朝・昼・夕・眠前など複数回にわたって行われているが、提言ではこれを昼の1回にまとめることを求めた。これによって、職員・入居者の与薬・服薬負担の軽減、落薬などの誤薬リスクの低減が期待できるとしている。

学会がこの提言を行った背景には、高齢者に対する多剤処方とそれに伴うポリファーマシー(副作用と誤薬リスクの増加)の問題がある。薬物治療が複雑になると、誤薬のリスクが増えるだけでなく、入院、救急受診のリスクも高まると指摘されている。また、高齢者施設での服薬は、職員の少ない朝と夕に集中する傾向があり、職員の約50%が服薬介助に負担を感じている。

これに対し、学会は薬の種類を減らす減薬ではなく、薬の服用回数を昼の1回にまとめる簡素化を提案。処方薬の簡素化は経口薬の服薬回数・時間の変更の他に、持続性貼付薬への変更などの方法が考えられる。

これを実現するためには医師・薬剤師・看護師などの多職種間の協議の他、本人、家族への説明も不可欠としている。

秋下代表理事は「処方薬の簡素化は高齢者施設だけでなく、病院からのニーズも多い。調査・研究には、日本老年医学会と全国老人保健施設協会の協力を得ている。今後、国に働きかけを行いたい」と話した。

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