タイトル

間接業務の削減で理想のケアを実現
  • 2024/06/11
  • バックナンバー
  • 最新ニュース

働きやすい職場に人は集まる

厚生労働省が推進する介護の生産性向上。介護事業者であれば、講演会などで耳にする機会があるが、その本質は十分理解されているとは言いがたい。厚生労働省発行の「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」では、介護の生産性向上を「介護の価値を高めること」と定義し、その具体的な取り組みとして、▽人材育成▽チームケアの質の向上▽情報共有の効率化の3つを挙げている。

「一般的な製造業の生産性の概念は介護にはなじまない面があります」。厚生労働省介護業務効率化・生産性向上推進室の秋山仁室長補佐はそのように断った上で、介護の生産性向上のためには「直接業務(直接ケア)と間接業務を区別し、間接業務の合理化・効率化を図る必要があります。ケアの質の向上はそのための最も大切な視点です」と話す。

間接業務の効率化によって、直接ケアの時間の確保と職員の残業時間の削減、有休の取得率が向上する。その結果、離職率が低下し、人材の定着に繋がる。具体的かつ明確なKPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAサイクルを回すことで、人材育成を含めたケアの質の向上の好循環が生まれるのだ。

「働きやすい職場環境づくりが生産性向上の取り組みの一丁目一番地」。秋山室長補佐はそのように見定める。「生産性向上は特殊な取り組みではありません。働きやすい職場を作ることは誰もがやらなければならないことです。事業所に主体的に働くマインドを持った人がいれば大丈夫です」 生産性向上の方法として、事業所内で委員会の設置や、プロジェクトリーダー・メンバーの任命などが考えられるが、これらの取り組みは大規模な施設だけでなく、居宅介護支援事業所や訪問介護事業所など、小規模の事業所で行うこともできる。「複数の事業所が共同で、業務改善の取り組みをしてみてはいかがでしょうか。その際、ケアプランデータ連携システムを導入することも、手段の一つとして考えられるでしょう」

業務改善の第一歩として、最初は直接業務と間接業務を明確に区別することから始めてもよい、と秋山室長補佐は話す。「私たちの生産性向上の基本的な考え方は、あくまでも間接業務の効率化です」。この点は常に念頭に置いた方がいいだろう。

居宅介護支援事業所の間接業務に関しては、サービス利用票などの帳票の印刷を、担当ケアマネジャーが自ら行っている事業所が約86%という調査結果がある。「ケアマネ事業所では他の介護現場に比べて、タスク・シフト(業務移管)が行われていないという現実があります。今年度の報酬改定で導入された、担当利用者数の逓減制の緩和の目的は、ケアマネジャーの間接業務を合理化・効率化して、ケアマネジメントの本質に集中してほしい、という狙いがあります」

ページトップへ