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チェンジウェーブグループ 大日本印刷と協働、DXを推進
  • 2024/09/24
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育児・介護休業法改正で追い風

チェンジウェーブグループ(港区、佐々木裕子代表取締役)はこのほど、大日本印刷(新宿区、北島義斉代表取締役社長)と「仕事と介護の両立支援」の分野で資本業務提携を締結。同社の小平新取締役に提携の目的について尋ねた。


チェンジウェーブグループ 小平新取締役

――資本業務提携の目的は何か。

当社と大日本印刷の知見を組み合わせることで、仕事と介護の両立ソリューションのDX化をさらに加速させたい。近年、窓口相談のニーズが増えているが、こうした部分においても、テクノロジーを活用することで、相談対応にあたる人間の時間を、人にしかできない部分、人が本当にすべき仕事に注力することができる。また、介護相談で受け取るデータは個人情報を多く含むものが多い。大日本印刷は大量のデータをセキュアに処理する設備と技術を持っているので、今後の事業拡大の頼もしいパートナーだ。

――仕事と介護の両立支援の具体的な取り組みは何か。

当社は2018年にLCAT(Lyxis Care Assistant Tools)を開発し、ビジネスケアラーが置かれている状況のアセスメントを行ってきた。大日本印刷との協働でもLCATは非常に重要なポジションを占めており、アセスメント後のフォローアップの更なる充実を図っていく。もちろん、現在の管理職を対象にした研修や、セミナー、交流会の開催も大切な取り組みだ。

来年4月の改正育児・介護休業法の施行で、企業は従業員の仕事と介護の両立支援のために情報提供、研修、相談窓口の設置が義務づけられる。国の制度改正は事業拡大の追い風になっている。

――今年度、経済産業省の「介護両立支援ハブ」モデル実証事業に採択されたが、その狙いは何か。

経済産業省の実証事業の目的は、中小企業における仕事と介護の両立支援の検証にある。当社の現在の取引先は従業員2千人以上の大企業がメイン。人事政策としての仕事と介護の両立支援は新しい領域なので、企業体力があり、感度の高い会社が採用する傾向がある。

これに対して、実証事業は山口県・広島県内の中小企業を対象にしている。当社のみで行うのではなく、山口フィナンシャルグループ、大日本印刷とコンソーシアムを組織して取り組む。事業規模によるが、従業員100人以上の会社が動くと見ている。当社にとって仕事と介護の両立ソリューションをより多くの方に届けるチャンスだ。

ビジネスケアラーの多くは、現在50代の団塊ジュニア世代だ。この世代は就労人口のボリュームゾーンを形成している。これからは高齢者も働かなければ経済が回らない。再雇用の問題も出てくるだろう。エイジズムに代表される高齢者に対する無意識のバイアスも、当社のANGLEというツールで分析の対象にしている。今後、関心は高まると見ている。多様な人々の就労環境の整備を通じて、日本経済の発展に貢献したい。

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