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  • 2024/10/25
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高齢者施設のポリファーマシー対策をテーマにした、東京都健康長寿医療センター・秋下雅弘センター長の講演を聴いた。

「専門用語を言い換えることは敢えてしない」と断りを入れていたが、誰が聞いても多剤服用と高齢者の健康被害との関係が明解に分かる内容だった。

ポリファーマシー解消のために介護施設ができることとして、秋下氏が強く勧めるのは「一元管理」だ。複数のかかりつけ医を1人にする、あるいは薬局を1つにするだけでも有害事象は減らせる。さらに、生活の場であるからこそ、ふらつきや便秘、口腔乾燥などの症状に留意してほしいとも。

介護給付費や医療費、そして生活の質にもかかわる大きな問題だが、医療界や政治でもまだまだ軽んじられている風潮がある。

「全ての人が当事者意識を持ってほしい。説得より、腹を割って話すしかない」(秋下氏)。人間くさい言葉に勇気づけられた。

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