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遊歩道
  • 2024/11/15
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本紙でお馴じみの久保田好正さんが力を入れているプロジェクト「冥土カフェ」。先日、山梨県内で初めて寺院を会場に開催され、参加した。集まった初対面の十数人と死生観や最後の晩餐などを対話した後、お寺の本堂に葬儀社が用意した棺に入る。暗闇のなかで住職が唱えるお経を聴く。言葉にはできない不思議な感覚を体験した。

一緒に棺に入れる物を持参した人もいれば「死ぬのも呆けるのも今は受け入れられない」と言う人も。最後の晩餐にコンビニのお惣菜を選んだとしても、明日死ぬかもしれない自分はいま何をしたいのか、と誰もが丁寧に、真剣に考える時間を持ったのは同じだった。

生きている間は体験できない死を全力で想像することで生きる意味を問う。医療・介護現場の専門職に求められている本人らしい看取りケアやACPの実践が義務や手続きとなっていないか。ぜひ、体験してほしいと思う。

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