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ケアマネジメントの未来 「実践技術」で切り拓こう
  • 2025/01/21
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2月に日本福祉大学ケアマネジメント研究セミナー開催

日本福祉大学福祉社会開発研究所・日本福祉大学ケアマネジメント技術研究会は2月23日、第20回ケアマネジメント研究セミナーを開催する。介護保険制度とともに誕生したケアマネジメントとその専門職であるケアマネジャーはいま、様々な課題が指摘されている。「先行きが見えない、混沌とした状況から踏み出すために、身に着け、磨いていくべき『実践技術』とは何かを掘り下げたい」と、主宰する研究会メンバー・高室成幸さんと奥田亜由子さんは、多くのケアマネジャーの参加を呼び掛けている。

ケアマネジメント技術研究会は、医師であり日本のケアマネジメント研究と臨床における第一人者であった故野中猛氏が設立。以来、毎年セミナーを開催し、今回で20回目だ。

「ケアマネジメントに求められる実践技術」をテーマに据えた理由は、いま置かれているケアマネジャーの立ち位置が大きく揺らいでいるからと指摘する。

「ケアマネジャーの育成が、行政主導のタスク(業務)中心になってしまったことにある。これは、研究会の創設当初から野中氏が指摘し続けていた。自分たちが本来何を担う専門職で、どのようなスキルを磨いていかなければならないのかが分からなくなっている。ケアマネジメントは、手法、技術が伴ってこそ。実践の技術であることが軽視されてきたという問題意識に向き合っていきたい」(高室さん)

「技術が軽視されてきた背景には、評価する仕組みがなかったことも大きな要因。スキルを高めるモチベーションも持ちづらく、研修への意欲も湧かない…という悪循環に陥っている」(奥田さん)

セミナーの午前の白澤政和氏の講演では「日本のケアマネジメント25年の歴史と次世代への課題」を話してもらい、基調講演は、畑亮輔氏が「ケアマネジメントの本質と求められる『実践技術』」について話す。

午後の報告では、実践力を身に着ける人材育成に取り組んでいる複数の現場のチャレンジが報告される。スーパービジョンの技術向上にロールプレイを中心に疑似体験を通じて相互に評価し合いながら身に着ける方法、実務研修の訪問に同行する形でOJTを行っている実践など。オンライン研修もより主体的・能動的に学べるようにシステム化にチャレンジしている実践もある。

「質の高いケアマネジャーの育成に新たな発想で取り組んでいる現場があることを知ってほしい」(奥田さん)

「ICTやAIなどは、プロとしての仕事ができる状態を長く維持していくことにつながる。ケアマネジャーの高齢化の問題解決にもなるはず」(高室さん)

実践報告を踏まえ、シンポジウムでは次世代に向けて求められるケアマネジメントの実践技術と新たな人材育成のあり方についてディスカッションする。故野中氏が中心となって開発した「ケアマネジメント技術作業指標(Work Index)」をケアマネジメントの評価に生かす提案なども行う。ケアマネジャーを始め多くの関係者に参加してほしいという。

<セミナー概要>
「いまケアマネジメントに求められる『技術』を考える」~次世代のケアマネジメントの展望

●講演
「日本のケアマネジメント25年の歴史と次世代の課題」国際医療福祉大学大学院教授・日本ケアマネジメント学会理事長 白澤政和 氏

●基調講演
「ケアマネジメントの本質と求められる『実践技術』」北里学園大学社会福祉学部准教授 畑亮輔 氏

●実践報告
「ケアマネジャー育成の体系的実践の試み~現場から学ぶ」
進行:奥田亜由子 氏 コメンテーター:畑亮輔 氏

全国で取り組まれる「質の高いケアマネジャー」育成の試みの発表

●シンポジウム
「ケアマネジメントの人材育成に求められる『実践の技術』とはなにか?」
新しい視点と新しいカリキュラム体系、オンラインなどのスタイルをどう人材育成に組み込むか。いかに学ぶ機会と学ぶ手法をデザインしていくか、を中心に報告者とディスカッション

日時:2025年2月23日(日)10時~16時30分
開催方法:対面(80名:鶴舞キャンパス)とオンライン(定員200名)の併用
参加費:一般3000円
申し込み締め切り:2025年2月9日(日)
セミナーHP:https://x.gd/qey3y

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