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  • 2025/01/24
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「老いることは楽しむこと。耐えることではない」。

1998年、オーストラリア連邦政府Aged Care省のブロンウィン・ビショップ大臣が、高齢者ケアの礎となる思想としてダイバージョナルセラピー(DT)を評価した言葉だ。今年の仕事始めは、このDTを導入している特養ホーム逗子杜の郷の取材だった。

DTはその場かぎりの娯楽を提供するものではない。老いてできることが少なくなるのは仕方がない、我慢しなければと心にしまい込んだ楽しみや、失ってしまった自信を引き出そうと、心の声を聴き、実現するための方法をとことん考え実践するケアだ。

逗子杜の郷では、施設に入って諦めていた遠方の友人との再会を果たしたり、念願の墓参りを果たした数時間後に亡くなった利用者もいる。

誰にとっても人生は一度きり。その最期を心から笑顔にできる仕事であることを楽しんでほしい。

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