遊歩道
- 2025/01/31
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ニュースを知って、驚いた。聴覚障害がある女児が重機にはねられ死亡した事故で、大阪高裁は20日、障害がない人と同額の賠償額の支払いを認めた。
被害者が生きていれば将来得たであろう「逸失利益」。一審の大阪地裁は障害があることを踏まえ労働者の平均賃金の85%と算定したが、両親が減額すべきでないとして控訴していた。「子どもに障害があれば平均から減額する」という慣例を覆した画期的な判決と言っていいだろう。
そもそもどれだけ稼ぐかで賠償額を決める考え方が適切かという論点もあるが。障害者基本法や障害者差別解消法に、社会的障壁を除去し、合理的配慮を行うことが明記されてから10数年。何かと遅れているとされる司法が、障害があっても社会の側に合理的配慮があれば、障害のない人と同等に働けるという考え方を示した。
社会が次に進む一つの瞬間を目の当たりにした気持ちだ。