- 2025/02/12
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民間3社が取り組みを報告
高齢者や障害者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう居住支援に関する普及啓発などを行っている東京都居住支援協議会は1月31日、入居支援の取り組みを紹介するウェブセミナーを開催した。今年10月には改正住宅セーフティネット法が施行され、居住サポート住宅の認定制度も始まる予定だ。セミナーに参加した不動産事業者などに、民間各社による要配慮者の入居支援の取り組みを報告し、理解を求めた。
要配慮者の受入れは推進されているが、住宅オーナーや不動産業者の拒否感は依然として強い。
都の居住支援法人第1号のホームネット(中野区)では、高齢のために住まい探しに困っている人の入居相談で、安否確認サービスの提携不動産店と連携して部屋探しを実施。週2回の音声ガイダンスによる安否確認のほか、特定の電球を設置しオン・オフが確認できない場合に現地に駆け付けるサービスを用意している。
同社の種田聖氏は、2010~40年の30年間で15~64歳が2千万人減少し、65歳以上が1千万人増える予測を示し、「2千万人減少の穴を埋めるには、高齢者はもはや避けて通れないお客様である」と強調。平均居住年数が長く、事務負担などのコストがかからない点はメリットと指摘した。
派遣切りに遭った人やネットカフェ難民などへの炊き出し活動から始まったホッとスペース東京(渋谷区)は23区内ではシェアハウスなどの物件をオーナーから借り上げて初期費用ゼロで要配慮者に賃貸。保証人がいなかったり、銀行口座や身分証がなくても入居可能としているので、通常の不動産の審査は通らない人も受け入れられる。月1回の訪問による見守り支援や、生活保護申請への同行なども行う。相談者の3~4割が20代だという。
貝賀裕考代表は、居住支援の賃貸運営は、長期的に見ることがポイントと話す。家賃が払えない月が発生する人に対しては、今後の支払いの見通しなどを確認した上で分割での支払いにも応じる。「リスクも含めてどう支援していくか。福祉分野の皆さんとも協力してやっている」と話した。
このほか、リクルートが、住宅総合ブランド「スーモ」のプロジェクトで▽部屋探しがしやすいようメディアのアップデート▽要配慮者への理解を深める取り組み▽居住支援のムーブメントを広げる取り組み――を展開していると紹介した。