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- 2025/02/28
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2022年1月、埼玉県ふじみ野市で在宅医療従事者らが患者宅で家族から散弾銃を発砲され、医師が亡くなるという衝撃的な事件が発生した。
同市は地域の医療と介護を守るための全国初の条例を制定した。4年が経ち「一番大きく変わったと思うのは、医療・介護現場の意識の変化です」と、市高齢福祉課。事件後導入した訪問系サービス事業に対する複数人での訪問への独自補助は、ほぼ申請がないという。
一方、市や県への相談は増えている。ハラスメント防止の実効性を疑問視するメディアもあるが、ある訪問介護事業者は「いつでも行政が現場の声を受け止めてくれる」「我慢しなくてもいいと思えるようになった」と話す。
ハラスメントはマニュアル通りに解決できないことのほうが多い。条例は地域を守り続けるという覚悟の表れ。一緒に悩んでくれる行政の姿勢は着実に現場に安心感を与えているのでは。