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認知症になっても安心した社会参加を 官民で支援事例を報告
  • 2025/04/01
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官民で組織する日本認知症官民協議会は18日、認知症の人が住み慣れた街で安心して生活できるように支援する官民による取り組みなどを報告する会を開催した。認知症の人の外出支援など、認知症の人が日常生活で感じる不便さに寄り添った取り組み全4題が発表された。

地域包括ケアシステムの構築に積極的に取り組んでいる静岡県藤枝市の地域包括ケア推進課の横山麻衣さんは、個人の取り組みとして認知症の市民の外出時の移動を支援した事例を報告した。市が開催する認知症当事者の交流会に参加したいが、「会場が遠くて歩いて行けない」と話す認知症の市民に対して、同課の職員は市民と一緒にバスに乗り、会場までの移動をサポートしたという。市民がバスに乗る際に乗車賃の支払い方がわからず苦戦していたことなどを踏まえ、「認知症の人が安心して社会参加できるよう、社会全体で認知症の人が不便に感じることへの理解を深めることが大切」と訴えた。


横山さん

ファスナーの製造業などを営むYKK(千代田区、大谷裕明社長)は、認知症の人の意見を取り入れたファスナーを開発した。デイサービスやグループホームなどに訪問し、認知症の利用者に自社製品のファスナーが付いている衣服を着脱してもらったという。ファスナーを開け閉めしたときに感じた、ファスナーを噛み合わせる細かい作業の難しさなどについてのヒアリングも併せて行った。それを受けて、ファスナーの開具に磁石を埋め込み、ファスナーをスムーズに閉めやすくする工夫を施した製品を開発。同社の営業統括部の西田知可さんは「実際に製品を使用した利用者の方が自分で開け閉めできたことで笑顔を見せた」と話した。

同協議会事務局長は、協議会が業界別に作成している認知症の人への理解を促す、宅配事業者向けの冊子を4月上旬に発行すると周知した。

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