保険給付率 要介護度に応じ設定を 財政審
- 2025/05/02
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持続可能な制度で論点提示
「骨太の方針」策定に向け、財政制度等審議会の財政制度分科会(分科会長=十倉雅和住友化学取締役相談役)は4月23日、「持続可能な社会保障制度の構築」をテーマに議論した。保険給付の範囲について、「要介護度・要支援度の軽重にかかわらず同じ保険給付率の現行制度を改めるべき」と提言。軽度者への生活援助サービスの地域支援事業への移行や、保険外サービスの利用推進など、軽度者への保険給付を引き下げる方向性を改めて示した。
保険給付の効率的な提供には、画一的なケアプランの是正や紹介事業者の手数料に関する対応など、給付の合理化・適正化が必要と指摘。2024年度の場合、介護報酬を1%適正化した場合、約1420億円の介護費用が抑制でき、国民負担の軽減につながるとの試算も示した。
保険外サービスについては、昨年度も「柔軟な運用を認めるべき」と提言していたが、今年はより踏み込んだ。「ケアマネがシャドウワークで担ってきた業務を保険外サービスに位置付けることで、事業者の収入増や専門職の負担軽減が可能となる」と指摘。
紹介事業者を通じて民間企業が提供する保険外サービスの情報提供を行っている武蔵野市の例などを挙げ、第10期介護保険事業(支援)計画の策定に向けて自治体に示される基本指針に、民間事業者との連携に関する考え方を記載することや、介護報酬上のインセンティブについても検討すべきとしている。(以下略)