- 2025/07/11
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責任ある財源示せるか
参議院選挙が3日告示され、今月20日に投開票が行われる17日間の選挙戦に突入した。昨年の衆議院選挙に引き続き、物価高騰対策などの経済政策に焦点が当たるなか、介護分野では多くの政党が「介護職の賃上げ」を公約に入れるなど、争点の一つとなっている。一方で、与野党ともに多くの政党が減税や給付も併せて主張。責任ある財源を示せるかも課題だ。介護分野における各党の施策・公約(表)をまとめた。
介護職の賃上げをめぐる議論は、単なる待遇改善だけにとどまらず、持続可能な社会保障制度の将来像を問うものだ。財務省は介護報酬の引き上げに難色を示しており、各党の主張には耳触りのよい言葉が並ぶなか、公約の具体性と実現可能性を伴うかという点も併せて問われている。
自由民主党は、6月23日の記者会見で石破首相が「介護の公定価格を引き上げる」と明言したのを受け、公定価格の引き上げを明記。「ベアなど施策の効果検証をしながら」とした昨年衆院選の公約から一歩踏み込んだ形となった。
立憲民主党は、訪問介護の基本報酬引き上げを訴える。昨年4月、今年1月と期中改定などを盛り込んだ「訪問介護緊急支援法案」を国会に提出しており、同党の訪問介護に関する立場は一貫している。介護職の給料引き上げについても言及したが、同時に食料品の減税や、赤字国債を発行しないことなども併せて明言しており、財源に関しては不透明な部分も残る。
公明党は、ICT化による生産性の向上や記録の電子化などの取り組みを進めるとしているが、施策に目新しさはない。賃金については、段階的に全産業平均までの引き上げを目指すとし、月給に賞与を12等分した額を足した「38・6万円」を目標値とした。(以下略)