ヘルパー採用率、過去最低の14.1% 背景に他業界への人材流出 介護労働安定センター・2024年度実態調査
- 2025/08/08
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介護労働安定センターは7月28日、2024年度の「介護労働実態調査」の結果を公表した。ホームヘルパーと、施設などの介護職員の2職種合計の年間平均採用率は14・3%で、2職種計の集計を行うようになった2005年度以降最低となった。事業者による働きやすい環境づくりは進んでいるものの、他業界に人材が流れ、介護業界での人材確保にブレーキがかかっている。今年度も最低賃金のさらなる引き上げが決まったため、介護人材の賃金が大幅に引き上げられなければ、状況はさらに深刻化しそうだ。
調査は昨年10月1日を基準日に、全国の介護保険サービス事業所から1万8千事業所を抽出し実施。事業所調査は有効回答数9044事業所(回収率52・9%)、労働者調査は2万1325人(41・6%)の回答を得た。
ホームヘルパーと介護職員の2職種合計の離職率は、24年度は前年度比0・7ポイント減の12・4%で低下傾向が続いている(図1)。一方、採用率は2・6ポイント減の14・3%。採用率から離職率を引いた増減率は1・9%で3年ぶりに低下した。離職率低下についてセンターの担当者は「事業者が処遇改善や職場環境改善に取り組んできた成果」と分析する。
問題は採用率の低下だ。「事業所の過不足感は高まっていることから『採用したいが採用できない』状況にある」(センター担当者)。背景には介護業界以外の他業界との人材奪い合いの激化があると指摘する。(以下略)