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実態ない訪問看護6300万円 ホスピス住宅大手 特別調査委報告書で
  • 2025/08/22
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末期がんや難病患者向けの有料老人ホーム「医心館」を全国に展開するアンビスホールディングス(東京都中央区)は8日、入居者に対して提供実態のない訪問看護の診療報酬請求が約6300万円分あったとする特別調査委員会の報告書を公表した。その上で、アンビス社は「組織的な不正や不正請求の実態がないことが事実認定された」との見解を示したが、報告書は訪問時間などの記録が不十分な点や、法令遵守意識の低さなどの問題を指摘している。

「医心館」は全国に約120カ所、約6千床を展開。このような有料老人ホームは「ホスピス型住宅」と呼ばれる。住宅併設の訪問看護ステーションが入居者に効率的に訪問看護を提供するモデルが広まっている。

今年3月に、医心館に併設の訪問看護ステーションが、実態とは異なる訪問記録を作成し、不正に診療報酬を請求していたとの報道があったのを受け、同社は外部の弁護士や会計士などで構成する特別調査委員会を設置。記録の調査・分析のほか、関係者へのヒアリングやアンケート調査を実施し、報告書をまとめた。「法的認識の不十分さや記録の不整備」に原因があるとした一方、「多額の診療報酬を受けるために架空の事実をねつ造したような悪質な不正請求の事案とまでは認められない」と結論づけた。

具体的には、▽1日3回の訪問看護を設定する必要性の有無▽短時間訪問の実態▽複数名で訪問看護を提供する必要性やその実態▽アンビスによる診療報酬請求の当否――などを調査した。(以下略)

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