遊歩道
- 2025/09/05
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先日、ある市の地域包括支援センターのセンター長に話を聞いた。「今一番ほしい情報は?」と尋ねると、「身寄りなし問題」と即答。この問題があらゆる場で大きな課題になっているのを感じる。
2026年度診療報酬改定に向けた議論の場でも同様だ。8月28日に開催された中央社会保険医療協議会・入院医療の調査・評価分科会では、退院調整に人手が必要な患者としては、全種類の病床で「身寄りなく同居者が不明な者」が最も多かったとの調査結果が示された。身寄りなし患者への入退院支援では、「入院時に成年後見人の確認を行っている」が8割近く。「医療機関や介護施設への連携方法が決まっている」は14%にとどまった。
入退院支援加算の対象患者とする見直しも検討されそうだが、肝心なのは中身のある医療・介護連携。よもや身寄りなし患者の押し付け合いのようなことは、あってはならない。