- 2025/09/18
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ケアマネ「情報少ない」
シルバー新報が今年7~8月に、ケアマネジメント・オンライン、月刊ケアマネジメントと実施した「インフォーマルサービス(介護保険外サービス)」に関する共同アンケート調査によると、「無料」保険外サービスについて、ケアプラン作成時に意識しているケアマネジャーは6割超に上ることが分かった。「有料」の保険外サービスより「意識している」の割合は高かった。一方、無料保険外サービスを「意識したが利用しなかった」「意識していない」と回答した理由は、「情報が少なくどの事業者に頼めばよいか分からないから」が最も多かった。
調査は7月27日~8月11日にインターネットで実施。有料・無料の保険外サービスについて尋ねた。519人のケアマネが回答。うち約7割は主任ケアマネの有資格者。居宅介護支援事業所のケアマネが約8割だった(有料サービスについては既報)。
調査では、ケアプランを作成する際に、無料の介護保険外サービスを「とても意識している」と回答したケアマネは約15%。「意識している」は49%で、合わせて6割以上に上った。意識している無料保険外サービスは、「通いの場や認知症カフェなどの地域交流の場」74・4%、「自治体の無料サービス(見守り、ゴミ出し)」72%、「家族・親類・知人によるサポート」71・7%が7割を超えた(複数回答)。
これらの無料保険外サービスを意識した理由は、「介護保険サービスだけでは利用者の生活を十分に支えられないため」が71・1%、「無料だから」が58・7%だった。
意識したサービスを実際に利用したのは81・6%。一方、「利用しなかった」と回答した18・4%(61人)にその理由を尋ねたところ、「情報が少なくどの事業者に頼めばよいか分からないから」(39・3%)、「サービスの信頼性が不明だから」(37・7%)が多かった。無料の保険外サービスの利用は、利用者の負担能力を考えなくて良いものの、選択にあたっての情報が少ないことがネックになっているようだ。
このほか、「利用したくても通いの場に行く手段がない」「地域柄サービスがない」「無料で必要なサービスがない」など利用したくても地域にサービスがないという回答が多かった。
有料・無料に関わらず介護保険外サービスを把握・利用するにあたって、地域で高齢者の生活支援や介護予防のサービスをコーディネートする役割を担う「生活支援コーディネーター」と連携しているかとの質問には、84・8%が「いいえ」と回答。ほとんどのケアマネが生活支援コーディネーターとの情報共有などを行っていない現状が浮かび上がった。
ケアマネは、介護保険利用者や家族からの依頼で、書類作成や代筆、救急搬送時の同乗など保険外の対応を求められることもある。こうした保険外対応を行ったことで収入を得たことがあるかについては、「いいえ」が95・4%を占めた。保険外サービスを事業として行っている事業所も少ないことがうかがえる。
財務省の財政制度等審議会の建議では「シャドーワーク」を保険外サービスとして実施すれば、事業者の収入増やケアマネの負担軽減につながると指摘しているが、これについては「そう思わない」が最も多く43%を占めた。