遊歩道
- 2025/09/19
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介護をテーマに地方の実情を発信するネットワーク「アクション“介護と地域”」のシンポジウムを先日取材した。講師を務めた厚労省老健局某課長の講演後に、これまた講師の一人だった上野千鶴子東京大学名誉教授が鋭く切り込んだ場面が見どころだった。
「厚労省の役人であれば誰でも同じことをお話しになる。ロボットか! と思いました」とまず直球。
さらに定期巡回型サービスについて。課長が「(40年に向け)ますます大事になるサービス」と言及したのを聴き逃さず、「定期巡回も24年度介護報酬改定で基本報酬が引き下げられました。重要と言いながら報酬を引き下げるという矛盾したことをやっている」と追及した。
残念なのはこうした「問い」に対し、厚労省が時間切れを理由に答えることなく降壇したことだ。「国が現場の声を受け止めていない」と感じてしまう背景には、こうした対応がある。