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有料老人ホームに「事前登録制」導入 厚労省検討会取りまとめ案
  • 2025/10/10
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規制強化へ 囲い込み禁止措置も

厚生労働省は3日、有料老人ホームの質の確保などについて議論している「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」(座長=駒村康平慶應義塾大学教授)に対し、新たに一定の基準を設けた上で、基準に満たないホームの開設を都道府県が認めないようにすることができる「事前登録制」の導入など、規制を強化する取りまとめ素案を提示した。参入後の更新制の導入や介護サービス提供体制の透明性、ケアマネジャーの独立性を担保するための禁止措置の検討も盛り込まれた。素案は概ね了承され、近日中にパブリックコメントを行う見込みだ。

有料老人ホームは現在、介護保険での特定施設として指定を受けたもの以外については、国・自治体が定める設置運営標準指導指針によって指導監督がなされているが、明確な職員配置や設備基準はなく、届け出制のため新規開設を拒否することはできない。民民契約で開設後の経営破綻をはじめ、医療・介護サービスの提供の履行などでトラブルや問題が発生しても入居者保護の責任の所在がどこまで担保されているかが不透明など、課題が山積している。有料老人ホームのなかにはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も含まれているが、サ高住は高齢者居住安定法に基づき登録制の対象となっているなど、制度上も複雑でわかりにくいものとなっている。

厚労省が3日に検討会に示したとりまとめ素案では、こうした課題に対する委員の議論を踏まえ①有料老人ホームにおける介護・医療サービスの質の確保②入居者による有料老人ホームやサービスの適切な選択③入居者紹介事業の透明性や質の確保④有料老人ホームの定義⑤地域の実態を踏まえた介護保険事業(支援)計画の作成に向けた対応⑥指導監督のあり方⑦参入後の規制のあり方⑧住宅型有料ホームの介護サービス提供⑨特定施設について――の論点について、それぞれ対応の方向性を示した。

いずれも現行よりも規制が強化される。特に大きいのは「事前登録制」の導入。対象となるのはは、中重度や医療ケアを必要とする要介護者などを入居対象とするホームで、人員・施設・運営に関する新たな基準を設ける。(以下略)

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