自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれた。順当に行けば、近く召集される臨時国会で日本初の女性首相に選出される見通しだ。

社会保障分野でも即対応が必要な重大案件が待っている。最高裁で国が敗訴した生活保護費減額処分への対応、高額療養費制度の見直し、そして診療報酬や介護報酬、障害福祉報酬の引き上げだ。高市氏は総裁就任後の会見でも、補正予算を編成して診療報酬・介護報酬を前倒しで改定することに意欲を示していたが、首相就任と同時に突き上げていたこぶしを下ろした例もある。期中改定が実現するとは予断を持って言えない。

選択的夫婦別姓の導入には反対の立場。就任会見で「馬車馬のように働いてもらう」と豪語したり、党幹部に裏金議員を起用したり。「ブレない」というより頑なな印象だ。少数与党として野党と柔軟に協調・協力できるのか、早速疑念が頭をもたげる。