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中山間地域で人員基準を緩和 厚労省 包括報酬設定し体系も見直しへ
  • 2025/10/17
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厚生労働省は9日、次期介護保険制度改正で、特例介護サービスに、中山間・人口減少地域に限定した新類型を創設する方針を社会保障審議会介護保険部会に示した。ICT機器活用やサービス・職種間の連携体制の確保を前提に、都道府県が条例で常勤・専従要件や夜勤要件を緩和できるようにする。委員からは慎重な検討を求める意見も複数上がり、意見集約までには紆余曲折がありそうだ。

「特例介護サービス」とは、国の基準を満たさない場合でも、自治体が認めれば基準を緩和してサービス提供できる仕組みで、現行は「基準該当サービス」と「離島等相当サービス」がある。厚労省の提案は、ここに、中山間・人口減少地域に限定した新たな類型を設定するというものだ。

この類型は、人材確保やICT機器導入などの施策を講じた上で、それでもサービスの維持・確保が難しい場合に適用を検討。管理職や専門職の常勤・専従要件、夜勤要件などを緩和すること、一方で、サービスの質確保の観点から、市町村による確認や、配置職員の専門性への配慮を行うとしている。

新類型については、利用回数に左右されない月単位の包括報酬も設定し、事業者単位で選択できるようにする案も示した。例えば、突然のキャンセルや、利用回数の少ない利用者に提供する場合も包括払いであれば収入の見込みが立つなどの理由からだ。利用者の負担増に配慮し、きめ細かい報酬体系とする方向性も示した。

また、現行の特例介護サービスは在宅サービスに限られているが、これを地域密着型サービスや施設サービスにも拡大する方針。対象とする中山間地域の範囲は、国の基準に従って、市町村の意向を確認し、都道府県が条例で定める。

市町村が介護保険財源を活用して事業者に委託費を支払い、事業として実施できるようにする類型案も示した。事業費として支払うことで、収入が予測でき、経営の安定化につなげられるとしている。(以下略)

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