- 2025/11/18
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日本介護支援専門員協会(柴口里則会長)は1日から2日間、同協会設立20周年記念となる全国大会を都内で開催した。現地参集のみで、950名が参加した。
開会式で柴口会長は、5月から日本相談支援専門員協会と共同実施した「介護支援専門員・相談支援専門員への処遇改善を要望する署名活動」に25万筆以上の署名が集まったことに触れ、「介護支援専門員への社会的な期待と信頼の大きさを改めて感じた。介護支援専門員の仕事は、時には評価されにくい場合もあるが、誰よりも利用者に寄り添い生活を支える専門性はこの社会に欠かせない力」と述べた。
基調講演では、厚生労働省の黒田秀郎老健局長が「介護保険制度の現状と次期制度改正に向けた検討状況」を報告。介護保険部会で検討されている介護支援専門員の更新制の廃止および法定研修の見直しについて、「なぜ他の仕組みにない更新制が始まったか」という経緯を、更新制が盛り込まれた2005年の介護保険制度改正に向けた議論から解説した。
軽度者の増加などから利用者の状況にかかわらず誰もに同じケアプランを適用する通称「金太郎あめプラン」や、不正事案の増加によりケアマネジメントの質が問われた当時、専門性を証明するために、更新制と更新研修をセットにして制度上に位置付けたと説いた。その後、時を経てケアプランの質が向上。「研修の効果はある」と黒田氏。そのため更新制が廃止されても法定研修受講の義務は残ると明言した。
ただし、分割受講やオンラインの活用などの環境を整備し、受講の負担を軽減するとした。そのうえで、「事業所の皆さんには、『研修を受けた介護支援専門員を配置する』という基準を設ける」と述べた。
協会の活動報告では柴口会長が、介護支援専門員が声を上げて、ボトムアップで保険者や国に向けて環境改善などを働きかけていくことが重要だと強調。市町村の介護保険事業計画の審議会メンバーなどへの手上げのほか、法定・法定外研修でも「皆さんが地域の課題解決に必要なことを吸い上げて、保険者や都道府県に『こういう研修が必要』と提案することで、創り上げていく」と積極的な参画を呼び掛けた。
柴口会長

