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厚労省 2割負担に預貯金勘案 「正確な把握困難」反対意見も
  • 2025/11/28
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厚生労働省は20日、介護保険部会に、「制度の持続性の確保」に関する各論点ごとに具体的な見直し案を提示した。介護サービスの利用者負担を2割とする「一定以上所得者」の基準について、預貯金も勘案して拡大する案を示した。しかし、委員からは「預貯金等の正確な把握は困難」「物価高騰で国民生活が厳しい今、利用者負担増のタイミングではない」などの反対意見も飛び交った。同省は年内に部会の意見書をまとめる。

介護保険制度の利用者負担は原則1割だが、2015年に一定以上所得のある人については2割負担に引き上げ、18年8月からは「現役並み所得者」の負担割合を3割に引き上げた。今年6月に閣議決定された骨太の方針では、利用者負担の判断基準の見直しについて、年末までに結論を得ると記載している。

厚労省は部会に、2割負担の対象範囲を広げる案を提示。高齢者世帯の貯蓄水準が、40~50代が世帯主の世帯に比べて高いとのデータを示した上で、「相対的に負担能力があり負担が可能と考えられる人に2割負担の対象範囲を拡げることが考えられる」とした。併せて既存の基準より収入が低い人を2割負担とする場合は、一定の配慮措置を講じることや、金融資産の保有状況を反映することなどを挙げた。

認知症の人と家族の会の和田誠代表理事は「2割負担の基準引き下げには強く反対」。「1割負担から2割に増えた場合に利用控えの懸念がある」、「貯蓄額を正確に判断することは現時点では難しい」などと慎重な意見も相次いだ。(以下略)

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