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現場にとことん向き合おう 経営陣の姿勢が職員の信頼を掴む 訪問介護事業所ポート
  • 2026/03/06
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職員の定着率向上は経営者にとっての悩みの種だ。介護労働安定センターの労働実態調査の結果によると「職場の人間関係の問題」を理由に離職した人が最多だった。そんな中、東京都町田市のポートエモーション(髙橋豊代表)が経営する訪問介護事業所ポートの直近1年間の離職者は、高齢により引退した職員や家庭の事情などでやむを得ず退職した人のみ。職員は管理者に、管理者は経営者にすぐに相談できる環境づくりが事業所と職員をつなぎとめているという。

開所4年目のポートでは10人の正社員を含む22人の職員が働いており、子育ての真最中の人も多く活躍している。利用者数は約130人で要介護度は平均で2・6。要支援者や医療的ケアが必要な人も受け入れていることが特徴だ。

入社3年目の鈴木千花さんは高校を卒業後、有料老人ホームやデイサービスでの勤務経験を経てポートに転職。

「入社当初は2年も働き続けるとは思っていませんでした。でも、サービスの特性上、職員同士が顔を合わせる機会が少ない中で、代表の髙橋さんや管理者の吉田さんがよく気にかけてくださることが大きな支えになっています」(鈴木さん)

入社4年目の目黒由香里さんも「若手職員の意見をしっかり聞いてくれるのがポートの良いところです」とうなずく。

管理者を務めるのは、開設から半年後に入社して以来、事業所を支え続けている吉田舞さん。

「訪問介護は利用者さんとの関わりやケアで困ったことがあっても基本的に一人で対処しなくてはならず、孤独や負担も大きい職種です。一人ひとりの相談事や愚痴にも親身になって耳を傾けるようにしています」(吉田さん)

セクハラやパワハラをする人など、理不尽な利用者のサービスは容赦なく中止にする。トラブルの原因が職員の対応にある場合は、解決策を一緒に考え指導。当たり前だと思ってしまうような配慮だが、一人でストレスを抱え込んだが故に退職を余儀なくされる介護職も多い。「もっとみんなの本音を聞き出して困り事を取り除いていきたいんです」と力強く話す吉田さん。そんな姿が鈴木さんや目黒さんに安心感を与えているのだろう。

職員主体の職場改革 経営者が見守り背中押す

管理者という立場は複雑だ。現場職員の意見と法人幹部の考えが食い違い、その間で重圧に耐え忍んでいる人も少なくないのではないか。

「髙橋代表は事業所で行う週2回のミーティングにも参加し、すぐに相談しやすい環境を作ってくださっています」(吉田さん)

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