- 2026/04/07
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給付削減効果は限定的
2024年度介護報酬改定で導入された福祉用具の「貸与と販売の選択制」について、販売の選択によりケアプラン作成が不要になった利用者数は117人で、選択制対象種目の福祉用具のみの利用者の2・6%にとどまったことが、厚生労働省の介護報酬改定影響調査の結果から分かった。選択制導入にあたっては、杖1本のレンタルに伴うケアマネジメント費用を圧縮する観点から2023年度の財政制度審議会が導入を提言した経緯があったが、給付削減にはほぼ影響がなかったことが示された形だ。
調査は、昨年4月時点の請求実績がある福祉用具貸与事業所や、居宅介護支援事業所などを対象に行った。
貸与と販売の選択制の対象種目は、固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖の4種目。購入を選択した利用者が最も多かったのは固定用スロープで、24年度15・2%、25年4~6月7・5%だった。反対に最も少なかったのは歩行器で24年度1・6%、25年4~6月1・2%だった。
購入を選択した理由は、どの種目でも「長期利用が想定されるため」「貸与よりも購入の方が経済的」が多かった。
居宅介護支援事業所で25年4~6月に選択制の対象種目がケアプランに位置付けられた利用者3万2307人のうち、ケアプランのサービスが選択制対象の福祉用具のみの利用者は4523人。うち、「購入を選択し、ケアプランの作成がなくなった利用者」は117人で、選択制対象種目の福祉用具のみの利用者に占める割合は2・6%だった。福祉用具のみのプランでも、購入を選択するケースは少ないということだ。
調査結果が報告された厚労省の介護報酬改定検証・研究委員会では、委員の近藤和泉国立長寿医療研究センター病院長が「結果を見ると、ケアマネジメント給付削減にはあまり効果がないと判断した方がよい」と分析。ただ、福祉用具に対するモニタリングの意識は高まったのではないかと評価した。
同じ調査のヒアリング結果を見ると、「利用者からは特に歩行補助つえは自らの所有物である意識が強く、喜ばれている」(福祉用具貸与事業所)との声の一方で、「購入することでケアプランがなくなるのであれば貸与を希望する利用者が多い」(居宅介護支援事業所)との意見もあった。
3月30日に行われた介護給付費分科会では、自治体の委員がヒアリング調査結果も踏まえ、「利用者の自立支援と安全確保のために、販売の後も予防的な関わりを維持できるような仕組みの構築が必要ではないか」と提案した。
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