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尊厳守るケアを対話で育む chain of smile 小原日出美代表
  • 2026/08/21
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介護職員のケアや家族介護に関する価値観を育てるツールとして、カードゲームの活用が増えている。一人ひとりの尊厳を守る介護について考えるカードゲーム「CLUE CARD」の開発を手掛けるchain of smile(滋賀県東近江市)の代表・小原日出美さんは、「ICT機器の活用が進み、職員同士が顔を合わせる機会が減少している介護現場では、対話を通してお互いの気付きを共有することが大切です」と話す。

「介護の仕事を始めたのは約20年前でした」と振り返る小原さん。眼科での勤務を経験し、結婚・出産を経てデイサービスの介護職に。きっかけを尋ねると、それは意外なものだった。

「スタジオジブリの映画『崖の上のポニョ』を観たことです。主人公・宗介の母・リサが働く介護施設は利用者の多くが車椅子を使う人や足元が不安定な人でした。リサや宗介、ポニョ達との関わりを経て、その人たちが自分の意思と足でいきいきと歩く姿を見て、歳をとっても若い頃のようにワクワクしてもらえる仕事に魅力を感じました」

しかし、実際の介護現場ではそうはいかず、もう一度歩けるようになりたくても諦めてしまう高齢者が大半だった。その後、ケアマネジャーに転身し、本人の意思より家族の意見を優先する専門職の姿勢に疑問を持つように。

「本人をしっかりと尊重する介護現場をつくりたいという思いから、2020年に独立しchain of smileを立ち上げました」

自分自身が将来どんな介護を受けたいのか考え、意思を示すことの大切さを多くの人に伝えたい。そのために遊びを通じて対話が発生するカードゲームに着目し、21年に「CLUE CARD」を開発した。現在は、カードの販売や、カードを活用した体験会・研修、ゲームファシリテーターの育成などの事業を展開。125人にも上るファシリテーターらが体験会・研修を全国各地で開いており、開催は6年間で合計200回以上。2023年には、介護に対する新たな切り口で社会との接点を生み出し、課題解決に資する取り組みなどを経済産業省が表彰する「OPEN CARE PROJECT AWARD」への入賞も果たした。

CLUE CARDは、自分自身が「してほしいこと・してほしくないこと」が書かれたカードの中から、理想とする介護の形を見出し、参加者同士で共有するゲーム。対象者は地域の人から介護職までと幅広い。カードの内容は衣食住やケアのあり方を示すものが中心で、小原さんが現場で出会った高齢者の意見も取り入れている。(以下略)

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