在宅ケアの境界線~対立よりも対話しよう
- 2026/10/02
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「訪問看護師になって在宅ケアの現場で働くのが夢だったんです」
数カ月前、目を輝かせてある医療法人の面接に来た若い女性がいた。在宅への思いを熱く語る彼女に、採用担当者は胸を打たれ、訪問看護の未来に灯りがともったように感じたという。
だが、内定後、女性は辞退した。6月に埼玉県川口市でケアマネジャーの女性が利用者の家族に殺害される事件が起き、母親から「そんな危険を伴う職場で働いてほしくない」と強く反対されたのだ。
「支援者を守るため」はサービス提供を制限する正当な理由だ。同じようなことは、生活援助でも起こっている。報酬が低いままでは提供できない。儲からないのだから仕方ない。だが、その裏で支援を必要とするのに排除される人がいる。
安全をとるか、支援をとるか。境界線を引いたら、その先は誰かが何とかすればいい、という他人事の領域にしかならない。それはとても殺伐とした社会だと思う。
対立構造を作るのではなく、思考を止めずに対話を重ねる。それが在宅ケアに消えない灯りをともし続けていくことになると信じている。

