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答えを求めない心向きが本人の意思尊重に リバリューライフ共同代表 竹内善太さん
  • 2026/11/04
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埼玉県川越市のNPO法人リバリューライフは、フィンランド発祥の対話の考え方「オープンダイアローグ」を地域や福祉・医療職に広める活動をしている。法人の共同代表を務める竹内善太さんは「物事に答えを求めず、不確実な状況に耐える力を身に着けることが当事者の意思を尊重することにつながります」と話す。

障害者・引きこもりの人・生活困窮者など、どんな人も排除せず、分け隔てなく支援する活動をしているリバリューライフ。社会的に存在価値を低められている人々が持つ力を価値化(リバリュー)することを使命とし、2024年に設立した。

障害福祉の相談支援専門員として働きながら、法人を運営する竹内さんは、自身も学生時代に引きこもりを経験。24歳のときに引きこもりから抜け出し、障害者が通う小規模作業所に就職した。

「その当時の私の時給は750円。対して、業務の指導をしてくださった障害当事者の方の時給はわずか60円でした。障害者の社会的立場の低さを目の当たりにし、この状況を変えなければと感じたことが現在の活動の根本になっています」

どんな人も排除されず、水平な関係でいられる場を築きたい。そんな思いを胸に、福祉の世界で働く中で出会ったのがオープンダイアローグだった。

オープンダイアローグは、フィンランドのある病院で生まれた対話的アプローチ。困難を抱えた本人と周囲の人たちが、同じ場所で同じことを話すという姿勢そのものを指す。福祉・医療の現場では当事者の支援方法を決める際、本人のいないところで医療職・介護職・家族のみで話し合うケースが少なくない。そういった従来の構造を見直し、本人を中心とした場で対等に対話することを目的としている。

竹内さんは法人を設立する2年前から月に1回、地域の福祉・医療などに携わる人を対象とした「オープンダイアローグ実践勉強会」を開催している。10人程度の少人数で、相手の話をただ聴き、自分の話を遮られずに話しきる。さらに、聴いた話に対して肯定も否定もせず、フラットな目線で語り合うことで安全な対話を学ぶ。

「この勉強会で大切にしているのは不確実性に耐えることです」と竹内さん。

「物事の答えを決めたがる傾向にあるのは人間関係において力がある側で、福祉の現場でいうと支援者にあたります。相手の話を評価せず、答えが不確かな状況に身を置く力を習得することが本人の意思を尊重することにつながります」

自らが事務局長を務めるNPO法人でも、障害福祉事業所などの現場にオープンダイアローグの心向きを伝えてきた。

「支援について本人を交えて話し合う習慣が職員全体に浸透したことで、利用者の方々にもいきいきとした様子が見られるようになりました」

対等な場づくりがもたらす影響は当事者だけにとどまらない。

「支援者は『答えを決める立場だ』『決めたことに向けて本人を導く立場だ』という前提から解放され、心に余裕が生まれます」

対話を重んじる心は、仕事への向き合い方を見直すカギになるはずだ。


竹内さん


勉強会は障害がある人も参加

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